＜CONCEPT 01：コンセプトモデル（CD / MD プレーヤー） 2002年＞
これは2002年に製作したオリジナルの作品です。当時、それまで勤めていたグラフィックのデザイン会社を辞め、家電や家具などを製作する会社への転職を考えていました。カタログ、雑誌、ポスターなど、グラフィックデザインは、その時代時代にフィットした感覚と瞬発力が求められ、それは同時に消費されるデザインと考えていました。一方、家電や家具といったものは家庭の中へ入っていき、デザインが生活の一部となることが当時の私には羨ましく思えていました。
会社を辞めたもののグラフィックデザインをやってきていましたので立体物の作品がないことに気づき、退職する際にいくばくかの退職金が出ましたので、それで3Dモデリングのソフトを購入しました。無職となり時間は有り余っていましたので、1ヶ月ほどで3Dソフトはなんとなく使えるようになり、自分なりにコンセプトを考え製作したものがこちらの作品になります。
生産終了となり今や目にすることがなくなったMD（MiniDisk）に時代を感じます。これをデザインした2002年当時は、スマホも無ければ当然サブスクで音楽を聴くというリスニングスタイルもありませんでした。自宅ではまだまだデスクトップのオーディオが主流だった時代、デザインも各社似通ったものが量販店の売り場には並び、もう少しオリジナリティのあるものをデザインしたいと考え製作したのがこちらの作品です。特徴はスピーカーと本体を浮かせるための脚。
スピーカーはその円柱形状を活かし、スピーカーの向きを任意の位置に変えることができます。また、スピーカーが左右に張り出したデザインのため、そのままだと頭でっかちなアンバランスな感じになります。そこで脚を付け本体を浮かすことで軽やかさを演出しました。
