コンセプトデザイン

<CONCEPT 02:コンセプトモデル(CD プレーヤー) 2002年>

COCEPT 01と同じくデスクトップオーディオとしてCDプレーヤをデザインしました。当時(2002年)の私はデスクや枕元で簡単に聞けるオーディオを欲してました。ポータブルCDプレーヤーはあれど、スピーカが内蔵されていてすぐに再生でき、かつインテリアの一部になるような製品はありませんでした。これをデザインした2002年から数年後、無印良品から深澤直人氏がデザインした壁掛け式CDプレーヤーが出た時は、衝撃を受けました。深澤氏はリスペクトするデザイナーの一人ですが、デザインのアプローチはさすがとしか言いようがありません。

さて、自分の作品に話を戻しますが、COCEPT 01と同様、私は床から浮いたデザインが好きなようです。家具の好みもそうです。チェストやサイドボードは脚付のものを好みます。浮いている方が家具の下に空間の奥行きが生まれ、部屋そのものが広く感じられるからです。この製品は家具ほど大きくありませんが、浮いていることでデスク周りが広く感じることができます。また、スピーカーを真下にレイアウトしていますので、設置面からある程度の高さが必要でした。

2024年現在、この過去の作品を見直すと色々と改善したい点はあります。まず、本体サイズが意外と大きいので、もう少しコンパクトにしたいです。本体の直径をうんと小さくしてCDそのものは本体からはみ出たデザインでもいいかと思います。持ち運びするものではありませんので。また、スピーカーの向きです。当時もスピーカーが下を向いていることに対して、他の解決策を検討した記憶があります。下に円錐形の反射板をつけたり、側面に小型スピーカーを付け、真下はウーファーにするとか。いずれにせよ、この作品はまだまだブラッシュアップできるなと思いつつも、CDというメディアも衰退の一途を辿っていますので、実際にこのような製品を販売した場合、需要はあるのでしょうか。個人的には作ってみたいカテゴリーではあります。


〈 コンセプト作品関連ページ 〉
・CONCEPT 01はこちら
・CONCEPT 03はこちら

コンセプトデザイン

本体にはバッテリーを内蔵しており、絵としては書いていませんが、専用の充電台があり、脚の裏が金属の接点になっているという設定です。本体上部の蓋の部分に「電源」「再生/ストップ」「曲送り」「曲戻し」の4つのボタンがあります。本体正面の中央にピノキオの鼻のようなものがありますが、これは音量調整のつまみです。CDの再生を始めるとストップや曲送りなどの操作はほとんどなく、ボリュームの調整がメインになるとの想定から、このようなデザインにしています。

コンセプトデザイン

デザインした当時の資料に次のような説明文がありました。

『● デスクトップ・オーディオのデザインアプローチとして、ひとつはコンポをスケールダウンする考えがある。機能を維持しつつ本体を小さくし、アンプ内蔵の小型スピーカーをつける。しかし、小型化によって高価になってしまう欠点がある。もうひとつは、機能を大幅に簡素化しコストを抑える方法だ。ここでは後者の考えを軸に、CDプレーヤーのデザインを提案する。 ● CDとスピーカー(コーン)は、共に円の形をしている。円と円を結ぶと円柱になる。設置面を小さくするには、円柱は縦にした方がよい。CDの出し入れを考えると、CDは上にあった方が単純な構造ですむ。そうなると、スピーカーは下になる。音を出すにはスピーカーを設置場所から浮かす必要がある。解決策として最もシンプルなのが三脚の形だ。 ● こうして導かれた形がこのデザインだ。決して最初に形ありきではない、この形は必然だ。』

なるほど。

CDは円形だし、スピーカーも円形だからそれを結ぶと円柱とな。当時は当時で、必死に形を考え導いてたのでしょう。すっかり忘れていました。ページの冒頭でデスク周りが広く感じるから浮かせた、と説明していますが違っていたようです。しかし、最後の「この形は必然だ。」に若さを感じます。いや、今も変わってないか。。。

2002年のレンダリング画像ではCDが真っ白な円盤で描かれていましたので、この度の掲載にあたりCD部分はレタッチにて合成しました。

コンセプトデザイン
コンセプトデザイン
コンセプトデザイン
〈 コンセプト作品関連ページ 〉
・CONCEPT 01はこちら
・CONCEPT 03はこちら

You may also like

Back to Top